原状回復を業者に依頼した際の費用は?仕組みから費用の相場まで解説
原状回復は、賃借者が住んでいた期間中に生じた物件のダメージを、入居前の状態に戻す作業です。壁の補修、フローリングの張替え、設備の修理など、さまざまな作業が含まれます。これらの作業は専門の業者に依頼するのが一般的です。本記事では、業者に依頼した際の費用の相場や原状回復の仕組みなどを詳しく解説します。
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賃借者の原状回復義務とは
賃借者には、物件を使用することで生じた損傷などを原状に戻す義務があります。ただし、日常的な使用による損耗や劣化などは、原状回復の対象外となります。
賃借者の費用負担
原状回復にかかる費用は、基本的には賃借者の負担です。しかし、全ての修復や修繕が賃借者の負担ではありません。通常の生活においての自然や損耗や劣化、または入居時からの欠陥などは賃貸者の負担となります。一方、過失や故意による損傷、無許可の改築などは、賃借者が全額を負担するケースが多いです。
原状回復の業者は賃貸者によって指定
原状回復の作業を行う業者は、多くの場合は賃貸者や管理会社によって指定されます。賃貸物件の品質を一定に保つためや、作業のスムーズな進行を図るためです。賃借者が独自に業者を選ぶことも可能ですが、その場合は事前に賃貸者や管理会社との調整が必要です。
原状回復の費用相場
原状回復にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。作業別に費用相場を紹介します。
壁紙の張替え
壁紙の張替え費用には、壁紙の商品代と工事費用がかかります。壁紙のグレードによって異なりますが、費用の相場は、1100円/㎡~1500円/㎡です。また、壁紙の張替えをする際は全面を対象として施工する場合がほとんどです。よって、部屋の面積によっても費用は前後します。
床材のクリーニング
床材のクリーニングの相場は、6帖の広さの場合で10,000~25,000円程度です。クリーニングの仕方も様々で、表面の汚れを落としてワックスをかける方法や、かかっているワックスを強力剥離剤で全てはがしてから新たにワックスをかける方法などがあります。汚れの範囲や仕上がりの程度によって費用は変動します。
床材の張替え
床材の張替えは種類によって異なりますが、6畳の場合は40,000~180,000円です。床材の種類ごとの相場を紹介します。
フローリング |
90,000~180,000円 |
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クッションフロア |
40,000~100,000円 |
フロアタイル |
50,000~100,000円 |
カーペット |
50,000~120,000円 |
キッチンのクリーニング
キッチンのクリーニングの相場は15,000~30,000円程度です。汚れの程度やどこまで行うかによって費用は変わります。汚れや損耗が激しい場合は、取替えが必要になる場合もあります。
水回りのクリーニング
水回りはトイレや洗面、お風呂などです。それぞれの場所ごとの相場を紹介します。
お風呂 |
15,000~20,000円 |
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洗面所 |
7,000~10,000円 |
トイレ |
8,000~10,000円 |
原状回復の負担を減らす対策
原状回復の負担を減らすためには、いくつかの対策が考えられます。まず、賃貸契約の際に原状回復に関する項目を明確にし、賃借者に十分な説明を行うことです。また、定期的な物件の点検・メンテナンスを行い、早期に修繕が必要な箇所を発見し対応することも重要です。さらに、賃借者の退去時には専門業者による査定を行い、適切な原状回復費用の設定を心がけましょう。
費用を抑えて賢く原状回復を進めましょう
原状回復は賃貸物件の運営上で必要なものです。賃借者の原状回復義務を正しく理解し、費用相場を知ることで、効率的に原状回復を進めましょう。